指導医マニュアル

上都賀総合病院内科専門研修プログラム
指導医マニュアル

指導医の役割
各年次の内科専攻医1名に対して、担当指導医1名を割り当てる。この作業は毎年4月に上都賀総合病院内科専門研修プログラム委員会が行う。
指導医は、担当の内科専攻医が以下の作業を遅滞なく行なうことを監督する。

(1) 入職時における研修実績と到達度の確認
上都賀総合病院内科専門研修プログラム開始時に,各専攻医が初期研修期間などで経験した疾患について、日本内科学会専攻医登録評価システム(仮称)の研修手帳Web版を基にカテゴリー別の充足状況を確認する。

(2) 研修実績と到達度の確認
担当指導医は、専攻医の診療・研修内容を、日常的に口頭で専攻医にフィードバックする。
2. 診療内容・カルテ記載内容・病歴要約記載内容が適切な質に達していることを確認した症例を指定し、研修手帳Web版へ記入させる。
3. 上都賀総合病院臨床研修センターが3か月ごとに研修手帳Web版にて専攻医の研修実績と到達度を適宜追跡し、状況を担当指導医に報告する。
4. 担当指導医は、上都賀総合病院臨床研修センターの報告をもとにして専攻医に3ヶ月間診療・研修内容のフィードバックを行なった上で、Web上で研修手帳の承認を行なう。
5. 各カテゴリー内の研修実績と到達度が充足していない場合は、診療統括当番医に連絡し、研修実績と到達度が充足していない分野の入院症例を優先的に専攻医に振り分けるように依頼する。

(3) 病歴要約作成の指導
1. 担当指導医は6か月ごとに病歴要約作成状況を適宜追跡し、専門研修(専攻医)2年修了時までに合計29症例の病歴要約を完成させる。
2. 担当指導医は提出された病歴要約を査読し、形成的な指導を行なう。時間がかかる作業であるため、6か月に8症例以上を完成させなければ、専門研修(専攻医)2年修了時までに合計29症例の病歴要約を完成させることは困難である。

(4) 臨床現場を離れた学習の監督
上都賀総合病院臨床研修センターと協働して、以下のようにプログラムに定められている所定の学術活動の記録と各種講習会出席を6か月ごとに追跡する。特に、抄読会、CPC、研修施設群合同カンファレンス、地域参加型のカンファレンス、学術活動に関しては、準備段階の指導責任を負う。
定期的(毎週1回程度)に開催する抄読会
医療倫理・医療安全・感染防御に関する講習会を年2回以上受講(基幹施設2014年度実績 医療安全に関する講習会8回開催、感染防御に関する講習会3回、医療倫理に関する講習会は2015年度から年1回開催予定)
内科CPC/公開CPC (基幹施設にて年間12回開催)
研修施設群合同カンファレンス(2017年度:年8回開催予定)
地域参加型のカンファレンス(基幹施設:上都賀郡市医師会学術講演会、上都賀総合病院公開CPC2014年度実績8回)
JMECC受講(基幹施設にて年1回開催予定。受講者6名。1年次中に必ず受講し、研修修了時までにインストラクター資格を取得することを目標とする)
内科系学術集会(下記「7.学術活動に関する研修計画」参照)
各種指導医講習会/JMECC指導者講習会

(5) 専攻医の評価
1. メディカルスタッフによる360度評価
8月と2月に、上都賀総合病院臨床研修センターが、担当指導医・看護師長・看護師・臨床検査・放射線技師・臨床工学技士・事務員などから接点の多い職員5人を指名し、メディカルスタッフによる360度評価を行なう。評価表では社会人としての適性、医師としての適正、コミュニケーション、チーム医療の一員としての適性を多職種が評価する。評価は無記名方式で臨床研修センターが各研修施設の研修委員会に委託して5名以上の複数職種に回答を依頼し、その回答内容を担当指導医が取りまとめ、日本内科学会専攻医登録評価システム(仮称)に登録する。
2. 専攻医の自己評価
8月と2月に、専攻医自身が自己評価を行う。その結果は日本内科学会専攻医登録評価システム(仮称)を通じて集計される。
3. 担当指導医によるフィードバック
これらの集計結果を鑑みて、1か月以内に専攻医に形成的にフィードバックを行う。2回目以降は,以前の評価についての省察と改善とが図られたか否かを含めて形成的フィードバックを行ない、改善を促す。

日本内科学会専攻医登録評価システム(仮称)の利用方法
担当指導医は、研修内容を評価し、修了要件を満たしているかを判断するために、以下の場面で日本内科学会専攻医登録評価システム(仮称)を使用する。
専攻医による症例登録を担当指導医が承認するとき。
専攻医に対する形成的フィードバックを行なう際、担当指導医による専攻医の評価、メディカルスタッフによる360度評価および専攻医による逆評価などを閲覧するとき。
専攻医が登録した病歴要約全29症例を担当指導医が承認するとき。
日本内科学会病歴要約評価ボード(仮称)によるピアレビューの内容確認と指摘事項に基づいた専攻医による改訂内容を確認するとき。
専攻医が登録した学会発表や論文発表の記録,出席を求められる講習会等の記録を確認するとき。
逆評価と日本内科学会専攻医登録評価システム(仮称)を用いた指導医の指導状況把握
専攻医による日本内科学会専攻医登録評価システム(仮称)を用いた無記名式逆評価の集計結果を担当指導医、施設の研修委員会、およびプログラム管理委員会が閲覧する。集計結果に基づき、上都賀総合病院内科専門研修プログラムや指導医、あるいは各研修施設の研修環境改善に役立てる。
指導に難渋する専攻医の扱い
必要に応じて,メディカルスタッフによる360度評価と専攻医の自己評価を臨時に開催する。結果を基に上都賀総合病院内科専門研修プログラム管理委員会で協議を行い、専攻医に対して形成的に適切な対応を試みる。状況によって、担当指導医の変更や在籍する専門研修プログラムの異動勧告などを行う。
プログラムならびに各施設における指導医の待遇
上都賀総合病院給与規定による。
FD講習の出席義務
厚生労働省や日本内科学会の指導医講習会の受講を推奨する。
指導者研修(FD)の実施記録として日本内科学会専攻医登録評価システム(仮称)を用いる。
日本内科学会作製の冊子「指導の手引き」(仮称)の活用
指導法の標準化のため、日本内科学会作製の冊子「指導の手引き」を熟読し、形成的に指導する。
研修施設群内で何らかの問題が発生し,施設群内で解決が困難な場合の相談先
日本専門医機構内科領域研修委員会を相談先とする。
その他
特になし。

別表各年次到達目標



1消化器分野では「疾患群」の経験と「病歴要約」の提出のそれぞれにおいて、「消化管」、「肝臓」、「胆・膵」が含まれること。
2修了要件に示した分野の合計は41疾患群だが、他に異なる15疾患群の経験を加えて、合計56疾患群以上の経験とする。
3外来症例による病歴要約の提出を7例まで認める。(全て異なる疾患群での提出が必要)
4「内分泌」と「代謝」からはそれぞれ1症例ずつ以上の病歴要約を提出する。
例)「内分泌」2+「代謝」1例、「内分泌」1+「代謝」2
5初期臨床研修時の症例は、例外的に各専攻医プログラムの委員会が認める内容に限り、その登録が認められる。

別表2
上都賀総合病院内科専門研修 週間スケジュール
上都賀総合病院内科専門研修プログラム 4.専門知識・専門技能の習得計画 に従い、内科専門研修を実践します。
上記はあくまでも例:概略です。
内科および各診療科(Subspecialty)のバランスにより、担当する業務の曜日、時間帯は調整・変更されます。
入院患者診療には、内科と各診療科(Subspecialty)などの入院患者の診療を含みます。
日当直やオンコールなどは、内科もしくは各診療科(Subspecialty)の当番として担当します。
地域参加型カンファレンス、講習会、CPC、学会などは各々の開催日に参加します。

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